中学生会員さんへの取り組み
数学がさっぱりわかならい…ということで入会されたAさん。本人の努力の結果、学校の学習内容にもついていけるようになって、定期テストでも平均点を大きく上回るようになってきました。
小学校の算数からやり直しを行いましたが、
数学はどこが抜けているか、計算力をあげるためにどうすれば良いかなど
教える側からすると、できている箇所、わかっていない箇所が系統的に把握しやすいので比較的指導しやすい(成績をあげさせるのが簡単な)教科だと思います。
一方で、国語の成績は平均付近で横ばい(ー_ー)
学習効果が成績に反映されるまでに、早くて半年はかかる教科なので、しょうがないとは思いつつも、ちょっと私の満足には達していないので
学研教材を進めるだけでなくテコ入れを行うことにしました。
少し長くなりそうなので何回かにわけて、その国語の指導方法における根本的な考え方についてまとめてみます。
小学生にも通用する考え方なので、参考になれば幸いです。
どうあげる?国語力!
さて、国語の成績を上げるためにどんな勉強をすれば良いのでしょうか?
学校の授業で何をやっていたか思い出せますか?
小学校での授業では、教科書の音読・漢字の学習・作文などをやっていたような…
一文ずつ順番に音読して、短い文に当たったらラッキー♪
と、思っていたら「短いからもう一文」と先生に言われてしまう、淡い思い出(笑)
ですが、解き方や読み解く手法、ましてや公式みたいなものは教えられた記憶がありません。
(語弊がないように言っておきますが、学校ではこれらの知識をちゃんと教えているはずです。)
でも記憶にこれといったものが残らない理由は、
国語がコミュニケーションツールとして普段日頃から使っているものなので、新しい知識として何かを学んだという印象が残りにくいからだと考えています。
なので、ですが、いや、しかし「何を」「どう」勉強すればよいのかわからない。
子どもを持つ親にとって、これは非常に重大な問題でもあります。
近年行われた国際学習到達度調査(PISA)では、日本の「読解力」の順位が前回の8位から15位に下がったことが大きく取り上げられ、様々な意見が取り沙汰されています。
PISAの調査結果についての検証はさておき、
この結果はシンプルに子どもたちに国語を教えることができていない、ということだと私は考えています。
算数と比べて勉強しなくてもそこそこできてしまう
国語の学習が後回しにされがちな理由の一つとして、漢字テスト以外は勉強していなくても、そこそこの点数が取れてしまうこと。
悲惨な点数にならないので親も「国語の勉強やらせないと!」という気持ちが働きにくい面があります。
しかも小学生は授業で音読し、先生が説明までしてくれた文章がテストで出されるので、
確認テストで点がとれない場合はかなり悲観的な状況と思ったほうがよいかもしれません。
中学生になり「あれ?定期テストで点が取れない・・・」となってから、国語力不足に気づくことも多いです。
それに加えて、大人も国語の学習方法を示すことができなければ、わざわざ学習するものではなくなってしまいます。
読書をすれば読解力はつく?
「読解力が不安なんです…」という親の相談に
「とにかく、読書をしましょう!」としか言えない先生では少し頼りないなと私は感じてしまいます。
たしかに読書は読解力を上げる、ひとつの方法です。
本(文章)を読んで中身を理解するという本質を問えば、一番どストレートな正攻法とも思います。
が、読書が好きな子も国語では点が取れないということがよくあります。
どうしてこんなことが起こるのでしょう?
よくある原因のひとつが流し読み・飛ばし読みです。
普段、読書をするときに一字一句、一文ごとに意味をかみ締めながら読んでいるでしょうか?
例えば、このブログの記事はどうでしょう?
近年行われた国際学習到達度調査(PISA)では、日本の「読解力」の順位が前回の8位から15位に下がった
きんねん、おこなわれたー、こくさいがくしゅうフンフンちょうさで~にほんが~はちいから~じゅうごいに~おちた~
と読みましたよね?(一字一句読まれていたらごめんなさい)
このように、読書はしていてもあまり重要でない部分は読み飛ばしたり
意味のわからない言葉が出てきても、辞書で調べることもなく周りの文脈から大体こんな意味だろう、と推測で読む。
これが通常の読書です。
ですが読解力を養うことを目的とする読書はこれでは駄目です。
学力に合った良質な文章を、省かれた主語を補いながら、指示語が指す部分を確認しながら、じっくりていねいに読む『熟読』が必要なのです。
読解の基本となる『熟読』までお話ししたところで、
次回からは「どうすれば国語力が上がるか」について、さらに突っ込んだ内容をご紹介していきたいと思います。